第18話

「まずい?」




不安げな冴子の顔。冴子の言葉に我に返り男。




「ううん、相変わらず美味しいよ。君の料理はいつだって美味しいよ」




そうして笑う男。男の笑顔を見、安堵の表情で笑う。




「そう、よかった! 今日は焼肉のタレ作りにもチャレンジしたから、失敗してたらどうしようってチラっと思ってたの」




そう言いながらポットのお茶をつぎ、男の机の前に置く冴子。


男は再び暗い顔に戻っている。




「やっぱり、今日は体調が悪いんじゃない。熱でもあるのかしら?」




冴子は男の額に手を載せ、そうして




「うーん、熱はないようね。今はインフルエンザが流行っているから、気をつけないとね」




「いや、大丈夫だよ。今日もご飯をありがとう、美味しかったよ。ところで今日は用事はないの?」




男の笑顔。




「あ、頼まれてた、お買い物があったんだ」




「じゃあ、忘れない内にいかなきゃ」

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