第7話
冴子はすっと立ち上がり、薄いピンクのカーデガンを脱いだ。そうしてブラウスのボタンを白く細い指で一つ一つ丁寧に外して行く。
男が唖然としてしている間にスカートを床に落とし下着姿となり、やがて女は恥らうこともなく上下の下着すら跡形も無く取り払った。
男は止めなかった。
止められなかった。
白く華奢に均整の取れた、冴子の裸体に思わず見ほれてしまったのだ。
半ば放心状態で見つめる男。全身が硬直し、口がすっかり半開きとなってしまっている。
男が女の裸を見たのは初めてのことだったのだ。
しかし、やがて我に返り、軽く首を振るとバツが悪いのかあからさまに目をそらしながら言う。
「どうしてこんなことをするんですか?」
冴子は自らの下腹部に手を添える。添えられた手の中には、小さな手術跡。
「私は、子供が産めません。子宮がないんです。摘出したのは二十歳の時です」
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