第5話

冴子はやがて男と二人でデートをするようになった。と言っても、公園のベンチで談笑したり、たわいのないものだ。




また、やがて冴子は男の家に上がりこみ、食事を作るようにもなっていた。いつものように冴子がスーパーの買い物袋を抱え、男の家を訪れた。そうして手際よく料理を始める冴子。




元々冴子は、さほど料理をする方ではなかった。しかし、男の家に通うようになって、レパートリーも随分増えた。




ある日、男は口を開いた。出された料理に箸をつけることもせず、男は料理をじっと凝視している。




「これは同情ですか?」

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