七章:それから
第35話
私が叩き壊したのは、
あくまで、パソコンのディスプレイであり、
コミュニティーを作り上げているデーターとは
何一つ関係ない。
だけど、王子はサイトを一時閉鎖した。
閉鎖の期間はほんの3ヶ月ほど。
サイトを休止している間、
王子は、ハローワークを開いた。
王子は、働きたいならてごうしてやるという、
父親のコネを蹴った。
そして準備してやるという、重役のポストも蹴った。
王子は、生まれて初めてスーツに袖を通し、就職活動をした。
履歴書を書いた。履歴の空欄部分をどうしようかと、
いたく頭を悩ましていた。
王子は、いくつもの会社の面接を落ちた。
王子は、パソコン関連の会社にいたくご執心らしい。
スキルが活かせるからと、何度も何箇所も面接を受けた。
王子は、ついにとあるパソコン関連会社に就職した。
王子は、働き貯金した。王子の一日の大半を向かうパソコンは
もはや父親のマンションの一室のパソコンではない。
会社のパソコンだ。
そこには様々な業務と活気、情報が飛び交っている。そうして、
王子は、会社で稼ぎ、こつこつ貯めたお金でもって頭金を用意し、
1フロア貸切だった父親のマンションを出た。そうして、
王子は、今私と暮らしている。こじんまりとしたアパートだ。
だけど、二人で住むには手ごろなアパートだ。
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