第36話

王子は、今とても忙しい。主に日々会社での仕事と、


コミュニティーの管理の二足のわらじで。


そうして、私と過ごす時間もあるだろう。


王子は、あまりにも多忙すぎて、とうとう一人で


コミュニティーの管理を行えなくなった。


王子は、そして、私にもう一人の管理係を頼んだ。今は私と


二人でコミュニティーを管理している。




王子は、実によく働く。


大好きなパソコンの前で日々活き活きと働いている。


家でも会社でも。だけど、働きすぎの王子が私は


少しだけ心配である。




だから、王子の食べる食事にはいたく気をつける。


目に優しいとされる


レバーや、疲労に効く豚肉や、


そうしてバランスよく野菜などを


盛り込んだスペシャルメニューだ。


王子の肥満も気にして、ヘルシーさも心がけてみた。




私も王子の食事を毎日作るたび、


おぼつかない手料理が随分とうまくなった。


それから、仕事柄、肩の凝りやすい王子の


肩こりを治すため、あんまも得意になった。




王子は、私の手料理を喜んで食べてくれる。


あんまも喜んでくれる。


王子は、私のカロリー計算したヘルシーフードで、


少しスリムになってきた。


それに、仕事で頭を使うからでもあるだろう。


脳が体の中で一番のカロリー消費部分なのだ。


王子に、再び写メの面影が戻ってきた。横顔が少しだけ精悍だ。


時折、王子に見惚れることもある。


あばたもえくぼだなんて言わないで。


本当にふいに、とてもとても素敵に見えるのだから。




私はもしかしたら


すこぶるバカな女なのかもしれない。


だけど、王子はみんなの王子でありながらも、


私だけの王子になった。

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