第32話
「私はいい男と結婚するの! 私を好きでいてくれて、私を幸せにしたいってそんな風に思ってくれる男よ!!」
瞳を細める王子。私は叫び続ける。
「そうして、彼は私と二人の子供のために、必死に働くの! 毎日額に汗して働くの! そうして、彼の手で私を幸せにしてくれるの!! 私はそんな彼を手助けして、共に寄り添い生きて行くのよ!!」
そんなことはちっとも思っていなかった。これまで思ったこともなかった。だけど、王子を見ているとそんな言葉がつらづらと浮いてくる。
言い切ると同時に私の心は途端にとまどいを帯び始める。だけど、私は心のとまどいをねじ伏せ、王子をにらみ、糾弾する。
「あんたと居ると、それが実現できない!」
だけど、王子は動じない。
「くだらない夢だな、ありきたりだ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます