第22話

だけど、私の無礼きわまりなき質問にもなんと律儀に答える王子。淡々とした王子の言葉。いや、むしろ平然という感じだろうか? それが私にはとても不思議な心理作用に思えた。




私は思わず床の上から身を起こす。




「なんで! そりゃ、写メとは…けど、けど、こんだけ毎日大勢人がサイトに来てんだよ、それに、王子のオヤは金持ちだし、だって、どうとでもなるでしょう?」




と私。王子は私のあまりの食い下がり具合に、多少、苦笑気味に言った。




「まぁね。こんだけのコミュニティーを管理してると、ぶっちゃけ君みたく言い寄ってくる女の子がゼロだったとは言わない。というか、そこそこは居た。バーチャルとはいえ、一大勢力だからさ。オヤの金目当ってのもあったな…メスってのは、力あるオスに群がってくるみたいだね。まぁ、悪い気はしなかったけどさ」




王子の言葉。あんなに蹴落としたのに、私が蹴落とし切れなかった女がまた居たんだと、私はうすらぼんやり思う。




そうして、必死になって日々チャットに張り込み、王子に色目を使う女たちを陥れていた日々、それが少し滑稽に思えていた。




「じゃあ…なんで?」

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