第16話

刻々と時間が過ぎ行く中、長い時刻同じ体勢でいつづけたセイか、やがて、片足がしびれ始める。足へ掛かる重みを、右から左へと移しながら、王子の背中を見つめる私。




(私はこれからどうなるんだろう? いつまで、こんなことが続くんだろう?)




私はぼんやり思う。しかし、不思議と恐怖心は無かった。




それもこれも、王子が相変わらず、パソコンにへばりついているからだ。コミュニティーの管理って、そんなに手間隙が掛かるのだろうか? もしかしたら、私がそう思っているだけで、その実、王子はネットサーフィンをしているだけなのかもしれない。




王子はパソコンに向かったまま私に言う。




「座ったままだと、疲れるだろ? 横になるといい」




お言葉に甘え、私は横たわることにする。いきなり倒れこみ体を打ち付けぬよう、身をよじりながらゆっくりと床へと倒れこむ。手首の手錠がなんともわずらわしい。そして首輪も。




だけど、時間をたっぷりかけたお陰で、どこも打ち付けることなく、なんとかうまく転がれた。




息を撫で下ろすもつかの間、上半身の重みから開放された片足に一気に流れ込む血液、激しい血流でじんじんと痺れを帯びてくる。




痺れを手でもみほぐすことも叶わず、悶絶する私。なんてこと、いつもの数倍の不快さだ。




けれど、その痺れが消える頃、私はふとあることに気づく。




スカートがスリットの箇所で大きくめくれ上がり、大胆にも太ももがあらわになってしまっていたのだ。一歩間違うと付け根部分の下着もチラ見えしてしまうかもしれない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る