三章:本題です。問題です
第11話
昼食後、さらに一時間、もしかしたらと着込んできた、勝負下着もすっかり無駄になってしまった。
そろそろと、腰を上げようと私が思った時だった。つい今しがたまでパソコンのディスプレイを眺めていた王子が私を振り向いて、苦笑いをしながら言う。
二人の間に漂っていた空気で、いい加減察知したのだろう、どこか自嘲的だ。
「僕がこんな有様でがっかりしただろう?」
首を横にふる私。これが大人としてのマナー。最低限の。
「写真で見たイケメン顔とも違うし、デブで、メガネで、額もハゲかかっている。おまけに、やたら無口でつまんないオトコ…」
どう応対していいのか分からずとまどう私に、王子は続ける。
「キミは、今日の出来事を僕のサイトのユーザーたちに話ちゃうのかな?」
メガネの奥の瞳をいわくありげに細める王子。
「そんなこと…」
と、私は目を伏せる。王子の追撃が続く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます