第3話
『親父が、都内にマンション2棟持ってるからさー』
メールの文中にさらりとそんな一言。なんですって! マンションですって! 都内にマンションを2棟ですって!
言えば、マンションの規模はそこそこのものらしい。
家賃収入は一体いくらなのかしら? お父様の持ち物なら、お父様がお亡くなりになったら、当然そのマンションは王子のものになるのよね? お父様はどんなビジネスをされているのかしら? もしも、どこかの会社を経営していたなら、御曹司の王子はきっと重役よね?
イケメンかつ、巨大なコミュニティーの管理人かつ、お金持ちのボンボンだなんて……
絶対、他のユーザーに知られてはならない。
また、今日も王子に色目を使う女ユーザー。王子に興味津々な女ユーザーたち。私は今まで以上に熱を入れ、巧妙かつ確実に女たちを蹴落として行った。
そうして、その頃になると、私は王子直通の電話番号などもちゃっかり手に入れていた。むろん、しつこくならない程度に、様子を見ながらも、ちょこちょこお電話する。声を軽く1トーンあげ、小首をかしげ
(もちろん電話じゃ見えないけどね、キモチよ、キモチ)
かわいらしくね。
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