第40話
大輔が呼んできたメインのスパムメールの解説者と、セットになってきているご家族ご親族、恋人なども含めるから人数が膨らむ膨らむ。それなりに広い十二畳のリビングがすっかり手狭になってしまった。
中には長丁場で疲れ果て、だけどこの人数、座る場所もないので、
フローリングに腰を下ろすものもいる。行楽に行きかけだった清水一家だ。じかに座るのは冷えの元と考えたのか、レジャーシートを広げ、一家が総出で腰を下ろしている。ただ一人、会社の同僚の清水元治だけは
「おいおい、やめろよー恥ずかしいだろ!」
と立ちんぼで苦笑い。
そこについでに乗り込んできた、大山。すると、清水一家の老婦人がよく冷えた水筒のお茶をご提供。会釈でそれを拝借。
そうやって各人が思い思いに近場の人々と小声とはいえ雑談をするので、今やリビングはさしずめ会社の懇親会である。
無論、訪問客は大輔の上司を全て除く、同僚以下のみに限っている。意外と大きい会社だった。というより、大輔の顔のきく同僚や部下が意外と多かったともいえる。
ともあれ、リビングにひしめく黒山、あまりの有様に渋い顔で花子が大きくため息をつく。
人数の少なかった当初、効力絶大だった花子のため息もこうまで人数が重なると何の効力も発揮しない。人々は相変わらず思い思いにしゃべくっちゃっている
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