第20話
「ほんと手当たり次第ね! さとこって誰よ! 愛子って誰よ!
マナミって誰よ! 一体何人の女と変なことしてんのよ!」
エプロンの両裾をにぎりしめ、泣き出す花子。情けなくも口角をさげ、嗚咽をあげる。ふんだんな涙で花子の両目のマスカラが溶けだし、パンダ目になりはじめるのを予感するも、もはやそんなのはかまっちゃられない。
「サイテーよ! サイテー! ずっと信じてたのに!!」
花子はそう叫び散らすと、再び嗚咽を上げ始める。
その脇で一緒に亜美が泣きじゃくり始める。二人の相乗の鳴き声のあまりのうるささに方耳を塞ぐ大輔、散ばったコピー用紙の一枚を拾い上げ、急いでざっと目を通す。そうして鼻でひと吹き、苦笑う。
「おまえなぁ、これは、スパムだろ? 浮気なんて、全然身に覚えもないもないのに、何をわけのわかんないことを言ってんのかと思いきや。もーれつに誤解でしょ?」
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