第7話
人差し指で「ひ・と・づ・ま」をやたら強調する麻美。
「なんだか途端にぐっと来るでしょ?」
そう得意げにグラスの水を飲む。
麻美の言葉にとうとう花子が吹きだした。三人がこんな調子でぺちゃくちゃ話し合っていると、ボーイがテーブルに近づきメニュー表を差し出してきた。
「食後のデザートだって、何にする? 本日のオススメがあるけど」
と珠代。二人を促す。
ボーイを時折見上げたりして数言尋ねながら、三人でメニュー表を指差しあう。やがて、珠代がボーイに向い言う。
「じゃあ、三人とも本日のオススメドルチェで」
赤と紫、二種類のベリーとソース、生クリームで彩られたデザートの皿盛りをつつきながら、花子が笑う。
「元気でた! やっぱり二人に相談してよかった!」
甘くきらびやかなデザートは女心を幸福へといざなう作用があるのだ。とりわけ、ゴージャスな皿盛りデザートは。笑いながら珠代。
「そ! それはよかった。こんなお悩み相談でよろしければ、お安い御用ですわ。またのご利用がありましたら、私たちをお呼びあそばせ!」
脇から首を突っ込み今度は麻美。
「そうそ、デザートつきのランチなんて、滅多に食べれませんもの。いつでもお呼びあそばせ! 勿論、ここのお勘定は花子様もちで」
「うん!」
お会計票を片手に笑う花子。
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