第3話

「メンヘラの帝国は言い過ぎだけど、メンヘラってかっこよくないですか?って話。俺はメンヘラになって、天才がたくさんいることが嬉しくってしょうがないという感じ。ゴッホもいるし、カフカもいるし。メンヘラって天才じゃね?って思うと、ほくほくしちゃう」

と一志、手を派手に動かしながら語る。


「それって、遠回しに、橘一志が天才って言いたいの?」

と音羽。笑いながら突っ込む。


「言いたいけど、言えませんよ、そこまでは言いませんよ」

と一志。困りがおの一志。


「ファンのみんなは、どう思う?一志は天才だと思う?」

と音羽は、ファンの声をあおる。


『橘一志は天才です』

とYoutubeの声の欄に出てくる。


『天才天才、すごーい』

『音羽も天才』

『天才天才天才一志!』


ざっと100個のコメントが寄せられる。ずらずらと流れて文字列が並ぶ。一志を称えたり、音羽を称えたり。


「わー、みんな温かいコメント沢山くれてありがとう!天才って言ってくれるファン多いみたい」

一志は言葉を続ける。

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