第81話
僕は愛里に気取られぬよう、ひっそりとため息をつく。遠くを見やり、眉間にしわ寄せ、思わず舌打ちしそうになる。
(あー、コンビニでも寄って大関でも買ってくればよかったー。そうしたら何食わぬ顔でどうにかできたろうに)
僕は思う。愛里の背後で腕組みただ一人ひたすら自問自答する。
(今からコンビニに行く? 今から? わざわざ出かけんの? こいつの機嫌を直すために???
オレが? 大関を買いに? このオレがですか??? え? オレが悪いの? 悪いのってオレ?
いやーーいやいやいや、もとはと言えばさー、こいつが……さー)
そう僕が再び愛里に全ての罪をなすりつけそうになった矢先、愛里が突如口を開く。僕に背を向けたまま。
「真一郎のトンマ、マヌケ、バーカ、バーカ、オタンコナス。オカメチンコのノドチンコ。お前のカーちゃん、デーベーソ! ついでに真一郎のドデベソ!」
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