第17話

と言葉で切り捨て、フイに僕の手を投げ捨てる。内心、彼女の仕打ちにすこぶるショックを受ける僕。




(ダメって……何がダメなの!?)




 が、すぐにそのショックは和らぐ。




彼女は、今度はやおら僕の右手に五本の指をからめ、愛撫をしてきた。軽く触れるか触れないかの絶妙なる指使いで、互いの指が触れ合う度に、えもいわれぬ快感が右腕を走る。




「うーん、これならイケるかなぁ……けど、まだダメだ」




 そう渋い顔で、つぶやく彼女。




(やっぱり、これは新手の口説き方なのでは? たぶん……や! どうだろう? わ、わからない!)




 彼女のとり続ける奇妙な行動に、僕の頭は混乱しつづけるものの、彼女のしでかす全てがかなり気持ちよいので彼女になされるがままだ。拒絶するゆえんもない。ところが、さすがにこいつは腰が引けた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る