第4話

(なんて最悪なコラボだ。さっき食べたカツサンドはあんなにうまかったのに、今日のお昼が台無しだ)




 僕は手の甲で口元をぬぐいながら、そんなどうでもいいことを考えていた。公共トイレの手洗いの水というのが、どうにも気になってしようがなかったが、他に水らしい水がなかったので、僕はやむなく蛇口をひねり、両手で水をすくい口をすすぐ。




場所柄、いつもよりも随分と水がまずいような気がした。いやそれは単なる気のせいなのかもしれないけれど。そうしてすっかり数回のうがいを終え、だけど、ふと自販の緑茶でも買って、うがいをすればよかったと今更になってひらめき、思わずタイルの壁をけり上げる。




そうこうしているうちに、ふと、左の袖口に彼女のゲロらしきものがこびりついているのに気付いてしまい(臭いがカツサンドでなかった)ますますもって、うんざりきた。そのまま、手洗い口でごしごし洗う。そうして、ぬれた袖口に鼻先を近づけ、くんくんにおってみる。




まだすっぱい感じがする。

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