第22話
3日の猶予を与えられた国家はひとつの決断を下した。
それは、100臆ドルの支援も、アメリカ軍の撤退もしないものだった。その上で、人質を解放するようと述べた。それが総理大臣含む日本国内の政治家たちの決断だった。
アフガニスタン人は再び生中継で声明文を出した。
「日本人は一人一人の命を大切にすると思っていたが、案外、現金な存在だな。アメリカの影響か? 決断はしかと受け止めた。宣言どおり人質を殺すことにする」
総理が言う。
「我々は戦争を放棄した、平和的民族である。みな日本が豊かだというが、それは持てる英知と金を娯楽や様々な製品、平和的技術につぎ込むからである。我々のこの姿勢、そこから学んで欲しい。こんなやり方で、金と平和を手にすることはばかげていると。ダレも得をしない。更なる混沌を招くだけである」
これは説得である。総理はゆっくりとそうして自国民にも訴えるように言う。
「我々は賢い民族だ。人質をたてに100億ドルを要求する。これが最も手早く賢いやり方だ。日本のやり方は膨大な時間と手間隙を要求する。また結果が出るとも限らない。それに国民が健やかに過ごすためにも、アメリカ軍が邪魔である」
かみ合わぬやり取りの中、フラッシュは思う。
なんてバカなことをしたのだと。自らの幸せの賭けに出るために、全国民を危険にさらしている。ミーナを思う。あのまま、賞狙いで、様々な賞に写真を応募する方法を取ればよかったのでは? とそう思う。偶然舞い込んだ、チャンス、危険を選んでしまった。
「殺したければ殺せぇ!」
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