第11話
友はこうべを垂れる。
「お前がそこまで言うなら、止められないけど」
そこまで言うとおもむろにフラッシュの肩を持ち言う。
「…だけど、絶対奥にはいるな! ただ、他の奴らが望遠で撮ればいいだけなんだだから」
「ああ、勿論さ、俺だって死にたかない」
うそだった。ゼンゼン考えてのことじゃなかった。何も考えてなかった。とっさについて出た言葉だった。
仕事からの帰りしな、いつもは電車で行くところ2駅余分に歩いて帰るフラッシュ。考える時間が欲しかった。
一人のときを思う。守るべき何かが産まれたときを思う。
二つは相違しており、だけど、自分にとっては大切ということでは変らない。
ミーナを幸せにできるのか?
フラッシュは思う。
(もし俺がアフガニスタンに行くと言ったら、
人は自殺行為と言うだろう。そうだ自殺行為だ。
いやだけど、自殺行為とはちょっと違う。
俺は一つの賭けをするために、アフガニスタンに行く。
コイン占いみたいなもんだ。
もし、アフガニスタンで俺が死んだなら、
俺の命はそれまでのもの。
生きるほどではない人生。
だけど、もしも生きて帰れたとしたら
俺は…
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