第12話

『迷っちゃった?泣いてる。』



『迷子になりました。』



『ふふふ、広いからねここは。』



『ほんとに広いです。』



『ゆっくりでいいから慣れていってね。』



『はい。』




この人は、お母さんの幼なじみ兼親友。



だから、お母さんが亡くなってからも

よく家に遊びに来て遊んでくれた。


私にとって、理事長さんよりは

顔馴染みの知り合い感が強い。




『担任の先生呼ぶわね。』



考え込んでいたら

ちづちゃん……理事長さんが担任の

先生を呼んでくれると言っている。


危ない、危ない…ボーッとしていた…



慌てて、返事を返す。


『は、はい。』



『1分以内に理事長室きなさい。

守れなければ……わかってるわよね?』



突然、豹変したように言う理事長。




ーーーーーー佐久間 千鶴ーーーーー




正真正銘、同一人物だ。



なにやら、若い時はヤンチャしていた

と、わたしは叔母さんから聞いた。



今でもその風格は漂っている。




170センチはあるであろう高身長。


今は私と話しているから

外しているがサングラスを掛けて

仕事を……しているみたい…。


キリッとした眉毛に

少し吊り上がった目。



知り合いでなかったら

私は関わることはないだろう。





ママの知り合いはあっち系の人が居るとかいないとか………。




聞いた覚えがある気がする。

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