第8話

長い廊下を歩く。



ほんと、なんというか。

お金持ちの学校だけあって広い。


設備が整っている分、広い…



転校する前に何度かきているのに…


道を覚えることが苦手な私は

早速、理事長室がわからなくて

早くも迷子になっている。


「おかしいなあ…ここは何処だろう。」

辿り着かない不安から言葉を漏らす。



現在地不明。



今居る場所はどこだろうか?


ここは一体どこですか?




お母さん譲りの方向音痴。

いま、本領発揮してどうする。


わたしは理事長室に行きたいんだよ。

って叫びたくなるのを我慢して歩く。



ここは!どこなんだ!!


始業式は間に合うのかな?

なんて…焦りが出てくる。



校舎は広いから迷子になると思うので

校門に案内する担当の人を付けます

って言われたが断った。



人に頼るのが苦手。


理事長室に行くまでに

一緒に行くことを考えると会話をする

必要があるから疲れると思い…


断ったが早くも案内を頼めばよかった…

なんて思い始めている。



頑固で強いねってよく言われる私だけど


初めての場所、大勢の人がいる所は

得意ではないから心細く感じて

泣きたくなるのを堪えている。


不安になると精神的に脆くなる。



もう、いまにも泣くかもしれない。

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