第20話
麻紀の最後の顔が忘れられない―――
俺の脳裏に焼き付いて
梨絵子と子供達を見ては思い出して
ずっと後悔してきた。
俺への感謝の気持ちと
梨絵子と菜緒を想う気持ち。
入り交じった複雑な表情をしていた。
「麻紀さんは、おじさんに感謝してました。菜緒ちゃんのことは言ってませんでしたが……向き合わないと、ねって。」
麻紀が言う、向き合わないとねって言葉は
利樹の死と、麻紀、梨絵子…
あの日に起きた事件と向き合うということ。
起きた事件こそが
全てのはじまりであり―――
俺が逃げ続けてきた、最大の事件。
梨絵子とは事件を
無かったことにして
お互いに触れないできた。
それこそが最大の罪のはじまり。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます