第9話

翔馬が一途に真っ直ぐな人間だと

いうこと。託せる人間だということ。


小学生…もっと前か?

5、6歳の時からだったのか?


朝妃は、妃愛を託せると思った。



翔馬が玖賀の血縁者。


麻紀の息子とわかったうえで

妃愛の将来を託した―――。



朝妃が残した


妃愛と梨絵子の関係―――。


そこには、朝妃の想いも

苦しみも書かれているのかもしれない。



朝妃が聞いてきたこと

朝妃が見てきたこと

朝妃が泣いてきたこと

朝妃が喜んできたこと

朝妃が怒ってきたこと




全て、俺が知らなかった



朝妃の姿がそこにあるのだろう。




俺は、受け止める自信がない。



全て、自身の弱さが招いたこと。

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