第92話

「梨絵ちゃん、

朝妃と妃響のお母さん。


好きだった…のかなあ。」




好きだったのかなあ?


どういうことだ?



疑問に思うが…



優哉さんが話終わるまでは

黙って聞くと決めていたから

口を挟まずに聞く。




「好きというより同情に近いのかも。」



「同情……」



「妃響には辛い話だよ。やめとけ。」




優哉さんは俺の事を考えて

この先の事を聞くのを

やめるように俺に言った。




俺はまだまだ子供で


先の事よりも


目の前の知りたい気持ちが

先走って、聞くことを選んだ。



後々、苦しむ事と知らずに。



俺は目先の知りたい欲求で

感情で動いてしまったんだ。

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