第91話
「母さんのこと聞きたい。」
俺が言うと
俺を見てフッと笑う優哉さん。
「梨絵ちゃんのことね。」
梨絵ちゃんのことかあ…
何かを思い出すように…
切ない顔をして
遠い所を見る優哉さん。
聞いてはいけないことだったか。
「何が聞きたいんだ妃響は。」
親父と同じ顔をした
優哉さんは
俺に優しく問い掛ける。
「母さんとの関係のこと。」
俺は濁してもしょうがないと思って
ストレートに優哉さんに問い掛ける。
「いつか妃響には聞かれると思ってた。」
いつか、俺に?
聞かれると思ってた?
優哉さんもわかっていたのか。
俺が、母さんとの関係を
疑っていたことに。
朝妃の父親が
優哉さんだってことに
気付いていたのかな。
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