第89話
父:「俺も梨絵子もお互いが大切だったんだ。菜緒という護る存在が居なくなって、俺は修行に出たけど荒れてた。」
妃響:「うん。」
父:「梨絵子も同じで、娘を自分の手元で育てられなくても、俺が娘の近くに居た。」
妃響:「うん、言ってたね。父親にはなれなかったけど、兄として接してたって。」
父:「そう。梨絵子には…菜緒の父親である俺が菜緒の成長を見ててくれる。それが、支えになってたみたいでな。」
妃響:「うん。」
父:「でも、菜緒が死んで、俺も梨絵子も支えを無くしてな。優哉が支えてくれてたみたいだけど、俺には力不足だって言ってたし、梨絵ちゃんは史哉を必要としてるって、わざわざ会いに来て伝えにきたんだよ、優哉が。」
わざわざ会いに来て…
母さんの事を伝えにきたか。
優哉さんは自分では力不足って…
思って、逃げる親父に母さんと
向き合えって言ったんだろうな。
父:「聞いてるんだろ?優哉から。」
妃響:「はは…バレてる。うん、聞いてた。なんで優哉さんと母さんは一緒にならなかったの?って聞いた。」
俺は、優哉さんに聞いていた。
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