第86話

父:「どうしようもない兄貴が居た。今、どこで何をしてるかもわからない。」


妃響:「兄貴?親父と優哉さんの兄貴?」


父:「そうだ、兄貴が居る。俺と7つ違いか……今は60超えてるのかな。」


妃響:「うん。」


父:「玖賀を継いでられるか、俺はこんな家に縛られたくねえって言ってさ、高校卒業と同時に家を出ていった。」


妃響:「うん。」


父:「それから会ってない。音信不通だ。生きてるのか、死んでるのかもわからない。」


妃響:「うん。」


父:「姉も妹も同じ。玖賀っていう家を偏見、差別的な目で見られて、学校生活なんてまもとに送れなくて。みんな出ていった。高校卒業してから。優哉も結局、出ていったからな。」


妃響:「うん。」


父:「結局、玖賀の家に残ったのは俺だけ。家業を潰す事はできない、でも…俺はりえこ」

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