第49話

悠妃:「俺はさ…俺も苦しい。孤独だなって思うし、なんで、俺なの?とも思うし、親父や母さん…真実を知っていたであろう…朝妃兄と妃響兄…に対して怒りの気持ちもあるよ。妃愛も同じでしょ?」



妃愛:「うん………同じかも……」



悠妃:「もう過ぎてしまったこと…過去になるわけだし、進んでいくしかないけど、簡単に受け入れられるほどの出来事でも、ないと思うんだ。」



妃愛:「………そうだね………」




過去だとは言えない。


事実に苦しむしかなくて

誰にも言えずに耐えるしかなかった。



孤独に打ちひしがれて


事実を事実だと受け入れるしかなくて。



自分の運命を


恨みたくなることも沢山あった。



それでも、


朝がやってきて、夜がきて…

時間が止まることはなくて。


過去に取り残されたまま

死を迎えるのか、なんて思ったり…




悠妃:「俺は、一人で心の中にしまって、耐えるよりは…直接思っていることをぶつけたほうがいいと思う。」



妃愛:「それは…ぶつかり合う…ってこと?」



悠妃:「そう。だって、抱え込んでもどうしようも無くない?何になる?気持ちが楽になれる?ならないと思う。」



妃愛:「……………うん…………」



悠妃:「あくまで、自分が前に進むために…だよ?前に進むために、ぶつかるって行動とっていいと思うよ。」




前に進むために


ぶつかり合う…



私に、できるの…だろうか…



怖い



と、いう気持ちが上回る。

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