第48話


悠妃:「逃げてもいいとは思う。」




悠妃くんが話す


言葉一つ一つに


耳を傾ける。



怖くて、苦しくて…


どうしようも無いけど


何故か悠妃くんの話は

聞きたいと思ってしまう…。



同じ苦しみを抱えているからかな。




悠妃:「逃げて、妃愛が楽になれるなら。俺は、そうしていいと思う。」



妃愛:「うん。」



悠妃:「でもさ、何が残る?一時的に楽になれたとしても、新たな苦しみが生まれない?」



妃愛:「新たな苦しみ…?」



新たな苦しみ………


逃げる事で生まれる

新たな苦しみ…



悠妃:「俺も妃愛も、向き合わないことを選択して…逃げたらさ…きっと、後々後悔すると思うんだ。あの時…なんで、逃げてしまったんだ。って。」



妃愛:「……………うん。」



悠妃:「私は残りの時間少ないから後悔しないって思っているかもしれないけど…さ、苦しんで苦しんで…一人で逝くことを本当に望んでいるの?」




悠妃くん


私が触れてほしくないって

思っていることを


突っついてくるんだね。



それが、悠妃くんの

優しさ、なのかな?




本当に後悔しない?



って、問い掛けでもあるのかな?

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