第47話

悠妃:「行こう?場所教えて。」


妃愛:「…………巻き込みたくない。悠妃くんも狙われることに、なる。」


悠妃:「じゃあさ」


妃愛:「…………なに?」


悠妃:「妹の苦しみ、半分俺に背負わせて?それなら、いい?」


妃愛:「………は?馬鹿でしょ。」


悠妃:「馬鹿だよ、俺は。でもさ、俺も静かに気持ちを整理したくもなるんだよ。妃愛も今が苦しい。だから、一緒に…整理しに行こう。」



二人で、出掛けるのではなくて…


兄と妹。これからに向けて…

気持ちの整理をしに…行くってこと…?



悠妃くん…


これからの為に…は

必要ないよ。


必要ないんだよ。




悠妃:「ねえ、本当にそう思ってるの?」


妃愛:「なにが。」


悠妃:「母親がいない。朝妃兄もいない。病気持ちで要らない子。本当に?妃愛の中で都合の良いように置き換えて、ただ現実と向き合いたくないだけでしょ。」




現実と向き合いたくないだけでしょ。




わかってる。


わたしは、都合のいいように

理由づけをして


家族と向き合う…

から目を逸らそうとしている。



弱いから


逃げることを選択しているんだ。

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