第38話
燈妃:「わかるでしょ、妃響兄。
自分が生まれた日が大嫌いなんだよ、妃愛は。消えたくなる日。」
ああ、やっぱりな…。
なんとなく、勘づいてはいた。
毎月31日、妃愛が生まれた31日。
自分が生まれてきたことを嫌う妃愛は
一番、消えたくなる日なんだよな。
一番、消えたくなる日が…今日。
妃愛は……どこへ行ったのだろう。
燈妃:「中3の時…一番酷かった。毎月、毎月…危険な喧嘩を売ったり、買ったり……朝妃兄が亡くなった場所で泣いてた時もあった。でも、口には出さない。」
黙って、燈妃の話しを聞く。
燈妃:「記憶を取り戻すツアーって言って…いつからか、毎月31日は…朝妃兄と行った場所を思い出す…日になってた。」
記憶を取り戻すツアー………
それは、未来に向かって歩くために…
では、ないんだろうな。
妃愛にとっては。
未来なんて、予定にないから。
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