第21話

燈妃:「散々な毎日だったね。本当に。死ぬ気満々だけど、まだやり残す事は沢山ある…みたいな矛盾があってさ。」



妃愛:「バレてたのね。」



燈妃:「バレてたよ。何かを思い出そうとしたり…さ。この子は、何から逃げて、何を苦しんでいるんだろう…って思ったんだよ。だから、離れなかった。」



妃愛:「そこ、普通は離れるよ。」



自分が面倒なことに

巻き込まれるって思わなかったのかな?


私と関わるってイコールで面倒な

ことも降り掛かってくる…

賢いともくんは理解してると思ってた。



燈妃:「似てたんだよ、妃愛。」



妃愛:「似てた?あっくんに?」



燈妃:「苦しんでるの。妃響兄とも似てたし、俺や竜妃兄達とも似てた。」



妃愛:「苦しんでるの…………」



燈妃:「理解はしたい…けど、受け入れられない。目を逸らすために、別の何かに夢中になる。俺は、妃愛が大切な誰かを亡くして苦しんでるなって思った。」



頭では理解してた。



お母さん、あっくんが

亡くなって会えないことに。


でも、気持ちがついていかなかった。



だから、居ないことを感じないように

荒れて、忘れようとしてた。



その姿が似てると思ったのかな……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る