第20話

燈妃:「朝妃兄はさ、仲野の家でお母さんと喧嘩していたかもしれないけど、長男っていう立場であったから言いたいことは沢山あったと思う。理解できる?」


妃愛:「うん、わかってるよ。」


燈妃:「母さんとの関係、父さんとの関係、妃響兄との関係……それぞれと問題抱えてて、その中で唯一の癒しが妃愛だったんだと思う。」


妃愛:「どうして?私も妹に入るんだよ?お母さんと一緒に暮らしてたし…」


燈妃:「一度だけ言ってた。長男って立場を忘れられるって。純粋に可愛い…って。しんどい立場での中の、光だったんだよ。妃愛の存在は。」


妃愛:「光…かあ………」



あっくんにとっての

私の存在は光………


そうだったら嬉しいけど……


本人から聞けないからね……

あっくんの本音を知りたいな…


話したいな。あっくんと。



燈妃:「朝妃兄にとっての光…が気になって。俺も多分、煌妃や悠妃と同じで朝妃兄は怖かった。けど、本当は不器用で優しい兄ってことも知ってた。」



妃愛:「うん。」



燈妃:「だからこそ、だよね。怖い朝妃兄が言う光である妃愛のこと。妃愛はキチンとお別れできてないだろう…って思って……気になってた。」



妃愛:「うん。」



燈妃:「最初は気付かなかった。妃愛、男装してたし、女の子かな、とは思ったけど……まさか…あんなに荒れてるとは……思ってなかったから。」



妃愛:「そうだったね…。最初の頃、ともくん…驚いてばかりだったね……」




ともくんと出会って、喧嘩して。



何度も何度ももぶつかり合って

ともくんから離れていくように…

仕向けたりもしたっけ。



相当、迷惑かけた……よね。

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