第11話

燈妃:『妃響兄、心配してたよ。』


妃愛:『……………うん…………』


燈妃:『妃愛が妃響兄だけではなくて、俺たちにも色々思うことあるのはわかる。』


妃愛:『うん………。』


燈妃:『このままでいいの?何も言わずに…妃愛から逃げていくの?』


妃愛:『……………………。』



ともくんが私に静かに問い掛ける。


目が覚めたばかりで、はじめのうちは

半覚醒だったが話しているうちに

徐々に状況を理解した。


私に現実(いま)と向き合って

ほしいんだ、なんて思う。



ともくんの身体に、

私は身を預けたまま…話を聞く。




燈妃:『逃げるなよ、妃愛。』



覚悟を決めろ、と言いたいのか

強くハッキリした声が聞こえる。


私は、ともくんの表情を

見れるほど強くないから聞くだけ。


逃げたいよ………怖いんだよ。



私は…私はどうすれば……いいの。



私は、自分でどうしたらいいのか

決めることが出来ないんだ。




怖いんだよ。

誰かを、信じることが。



受け止めてもらえるのか…



わからないから、怖い。

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