第10話

不安、恐怖、動揺、困惑……安心…



私は…………わたしは………

誰かの手をとってもいいのだろうか。


一人で孤独だと思わなくていいのか……


どうしたら、いいのだろう……



ともくんの、服をギュッと掴み

心臓部分に頭を寄せる。


トクトクトク、心臓の鼓動を感じる。


落ち着くな…生きているって感じが

伝わってきて、安心できる。



『まだまだ、子供だなあ〜。』



そうだよ。私はまだまだ子供。


誰かの力がないと生きていけない

子供なんだよ。


強がって、素直になれないけど

本当は誰かに頼りたい、甘えたい。


私は、強くなんかないよ。




燈妃:『よくさ、妃愛が暴れまくって気絶するかのように意識無くしてた時、妃愛、こうして甘えさせると落ち着くんだよ。覚えてないだろ?』


妃愛:『うん、覚えてないや…そんなに頻繁に倒れてたっけ……』


燈妃:『治療してなかったから、頻繁に倒れてたよ。無茶ばっかりするくせに、止まることなかったからね。』


妃愛:『いっぱいいっぱいだったんだよ。』


燈妃:『今も、だろ?』



今も、なのかな。


だいぶ、落ち着いたとは思ってるけど

ともくんから見たらまだまだ、なのかも。

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