第7話

誰かに甘えることが怖くて

また、誰か居なくなってしまうんじゃないかって怖くて、怖くて…


辛い、悲しい思いをするくらいなら

誰にも…甘えないほうがいい…


って決めたのはいつだったかな。



怖くて、逃げた。



差し伸べてくれる、手を拒んで…

私は逃げ続けてきたんだ。



そんな、私に


ともくん……と、ひいくんは

真正面からぶつかってきて


長年積み重ねてきた心の壁を

崩されている感じがして…


二人から逃げようとしている。



このまま、逃げ続けるのは

ダメだとわかっている。


一歩、たった、一歩だけど

その一歩を踏み出すことができない。



いつだって、弱い私を

黙って支えてくれるのは翔馬。


その翔馬も

前に進むことは悪いことではない

って私に言ってきている。


私は……どうしたら、いいのだろう。




荒れてた時は

兄だとは知らなかったから

我儘も困らせる事も沢山してきた。


そのたびに、私と向き合ってくれた。



何度も、何度も、困らせてきた。



今もきっと、ともくんは変わっていない。



真っ直ぐな性格と包み込む優しさは

私を孤独から救ってくれる。


だからこそ、暗闇の世界に居る私は

光の世界に進むことが怖い。




幸せになることが怖いんだ。

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