第6話

燈妃:『妃愛はどうしていきたい?』


妃愛:『どうして、ってどういう……』


燈妃:『何で、見捨ててくれないのって……病院で怒鳴り散らしてたよ、妃響兄に。』


妃愛:『夢………じゃなかったんだ…』




ひいくん……に、言ったのか…


前からも何度も言ってきた言葉だから

言い慣れてしまったのかな…


今回は言うタイミングが悪かったか…

ひいくんショック受けてるだろうな…




燈妃:『もう何度も聞いたって言ってたよ。妃愛もさ、素直になってみなよ。』


妃愛:『私は素直だよ。』


燈妃:『どうかな。荒れてた時は孤独だとか、家族…いいなあって言ってたのはどこの誰だったかな〜あははっ。』



そっか…


ともくんは荒れてた時の私を

知っているんだもんね…


言っていたことが本音だってことも

知っているんだ……



燈妃:『妃愛こそ、逃げてない?』



言葉に詰まる…


私は……逃げている。

わかっている。


怖いから、逃げているんだ。



心の拠り所を作ってしまうのが

私は怖いんだ。




お母さんが亡くなって


おじさん…優哉さんが亡くなって…


あっくんとサヨナラして…


それから、ずっと……

一人だと思ってきた。

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