第86話

妃愛は知らないだけで、よく俺も妃愛も

朝妃兄が亡くなった場所に行っていた。



その場所が意味するものって、多分だけど

朝妃兄と妃愛の思い出の場所。



そこで何かあったのか、朝妃兄が死ぬ前に何かを伝える為にその場所にきたのか…


亡くなっていた場所に意味がある。



容態落ち着いたら……行ってみるか………




『んっ…………はあっ、だれ?』



『俺、燈妃……』



『んっ??燈兄………?なんで?』



『覚えてない?妃響に酷いこと言ったって。』



『……………あっ、そうだね……』



『体調はどう?もう少し寝たら?』



『今は何時?』



『夜中の3時だよ……?』



『3時か。ずっと居てくれたの?』



『うん、いたよ。』



『そっか。』




魘されて居た時とは大違い。



妃愛は、魘されていることいつも覚えて

居ないのかもしれない……



起きたらケロッと忘れている……



だから、妃響兄は記憶が残ってないのか

不安に思うことが多いのかもしれない……




『お願いがあるの。』



『……………なに?』



『外泊許可貰ってきてくれないかな…?』



『…………外泊許可?そんな状態じゃないよ。』

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