"燈妃、頼んだよ。"

『わかった。1つ聞かせて。なんで…何で

朝妃兄は死んだの？元々わかってたの？』

"うーん、内緒。色々とあったんだよ。"

『色々………？色々って何？』

"俺の生き様だ。後悔なんてしてないよ。

俺は、護りたいものがあったんだ。"

『護りたいもの？妃愛じゃないの？

よくわかんないけど……人？モノ？なに？』

"わかんなくていい。いずれ全てわかるよ。"

『ふーーーん？わかるの……？』

"まあ、それも予想済み。思ったより早く

わかるかなーくらい。だから、後頼んだよ。"

『……………わかった。』

"じゃあな。妃愛、頼んだよ。"

『わかった。』

護りたいものってなんなんだよ………

朝妃兄の口から、死因は聞けなかったけど

案外、冷静に聞くことができた。

何となくだけど予想はついていた。

朝妃兄の死因は、多分、妃愛が鍵を握ってる…

その為に、朝妃兄は試練を与えた。

事故現場か事件現場に連れて行けってこと。

妃愛が前を向けない限り真実はわからない。

思えば、中学生の頃から………朝妃兄以外の

誰かを探していた記憶がある。

妃愛を見ていた人も居た記憶がある。

狙われていたのか、見守っていたのか…

それはわからないけど誰か居た。確実に。

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