第87話

『やらなきゃいけないことがある。』



『それは、危険なことじゃないよな。』



『……………多分。』



『危険なことはしない、約束覚えてる?』



『うん、だから燈兄を誘ってるの。』



『はあ、わかった。聞いてみる。』



『今日、外泊する。』



『…………………お前なあ………』




今日、外泊許可降りなかったら多分…

無断で病院から脱走して行くだろうな……



性格上、思いついたら即行動に移すことがある…




『わかった。話してみるよ。だから寝よう?』



『うん、眠い。燈兄、おやすみ。』




燈兄か…………、変な感じがする………



あの頃、妃愛が中学生で俺がまだ22.3歳の時に

繁華街で偶然、喧嘩を止めた時に出会った。



チビのくせに威勢がよくて興味を持った。



喧嘩の筋はいい。ただ、体力が続かない…



チビだから色んな人に、狙われていて

何度も危険な目にあってきてた……



下手したら死ぬぞ、って喧嘩までして何度も

止めたけど………妃愛の瞳は真っ黒だった。



光が何もない。生きる希望がない。


死んでもいいと思っているから刃物も拳銃も

臆することなく挑んでいっていた……

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