第65話

おじいちゃんにもおばあちゃんにも

叔父さんにも叔母さんにも。



わたしは距離をとって生きてきたの。





木崎の娘になったのも仲野を

離れたかったから。




嫌でも、思い出してしまうから。





あっくんと過ごした日々を。



思い出してしまうのが辛かったから。






当然、木崎の娘になることを反対された

けど今すぐにでも離れたかったから。




そして、仲野に関わる人間と離れたかったから。




逃げることでしか、私は生きることができない。




気付いたら考えている。



あ、これあっくん好きだったな…


ここ、あっくんに連れてってもらったな…



あっくん、泣いてる時傍に居てくれたな…




全部、あっくん、あっくんなってるのも

わかってる。妃響兄に気づかれてるのも……


私はわかっているよ………




どうしたらいいかわからないんだよ……



誰か助けてよ…………




私、もう限界だよ…………

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