第63話

毎日、毎日待ってたんだよ?



いつくるのかな?いつ会えるのかな?

どこに連れて行ってくれるのかな?って。





あっくんは、約束を守ってくれなかった。




だから、そんな人の話なんてわたしは

聞きたくないんだよ。





ワガママで子どもみたいでごめんね。




せめてもの反抗なんだよ。






ごめんね、あっくん。





貴方の顔を、声を聞きたくない……



貴方の温もりに触れたくない…



貴方の存在を無かったことにしたい……





子供な私で、ごめんね………



あの日、あっくんと会えなくなった日から

私の時間は止まっているんだよ……



あっくん…………




"ひめ…………大きく育てよ……"



"……………ん………あっくん………?"



"ひめ、寝んねだよ。"



"あっくん…………泣いてる………"



"ひめちゃんの成長が嬉しいんだよ。"



"……………うん…………"



"ほら、眠いでしょ……?寝んね。"



"………………ん、……………"



"ひめ…………幸せになれよ……あっくん

居なくても……………強く生きろよ………"




あの時、そう言って、私を撫でて

あっくんは出て行った………夢だったのかな?

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