第46話

ガッシャーン





朝妃の投げたガラス瓶がまだ1歳の

悠妃の頭に直撃して流血しだした。





うわわわーん、いたいよー、うわーん。




そう言って、号泣している悠妃に

朝妃はハッとして悠妃に近づく。





一歩一歩近づいてくる朝妃に、


殴られると恐怖を感じた弟たちは

悠妃を守るように立ちはだかった。





朝妃はその姿をみて、ここにはもう

居られないと家から出て行ってしまった。



そのあとを妃響が追いかけていく。





『おい!朝妃っ!!』




『ははっ、俺、情けねえな。長男として

守っていかなきゃいけないのに弟たちに

怖がられているなんて。悪かったな妃響。』




そう言って、泣いている朝妃を妃響は

隣に座って黙って見つめていた。




葛藤や苦しみを知っていたからこそ

妃響は何も言えなかった。



妃響の中で芽生えた、朝妃を1人にしないと

いう思い。どんなにきつく当たられても

妃響は朝妃の元を離れることがなかった。

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