第45話

ドガッ、バキッ、ガッシャーン




今日も玖賀の家では物が音を立てて

壊れる音、人を殴る音が響いていた。



荒れ狂う、朝妃に兄弟も側近も

近づくことすら出来ずただただ、


暴れている朝妃を見つめるしかなかった。





『おい!朝妃、やめろって。』




そんな中でも、年子の弟である妃響だけは

朝妃をとめることに体を張っていた。



殴られる、蹴られることはわかっているのに

体を張って兄の暴力をとめようとしていた。




『朝妃、落ち着けって。』




『いちいちうぜえんだよ!妃響!!

おまえ、俺の邪魔すんじゃねえよ!!』




1歳の悠妃、5歳の煌妃、8歳の燈妃は

朝妃のことが怖くて怖くて固まっていた。



10歳の雅妃は弟たちを守るように

立っていて、11歳の竜妃は朝妃のことを

睨んで立っている。




朝妃の味方は妃響だけだった。

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