第44話

『仲野さん、今回は諦めましょう。

治療を優先したほうが生命力もあがります。』




『先生、何があってもわたしはこの子を

産もうと決めていますから。決意はいくら

説得されてもかわりませんよ。』





彼女はシングルマザーになろうと

1人頑張っていた。




癌を患いながら、仕事をし1人で

出産しようと頑張っていた。




家族の協力なんてもちろんない。





心配した兄や姉が時々、みにくるが

頑固として会うこともせず、時はたち


妊娠7ヶ月に入っていた。





徐々に大きくなるお腹と、ガンの恐怖。



母子共に助からないんじゃないかという

不安を抱ながから過ごす毎日に、梨絵子は

追い詰められそうにながらも生きていた。



早く会いたいって気持ちと

1人で育ててみせるという覚悟を持って。



不安だらけだけど、置いてきた子ども達を

思い罪悪感にかられながらも後戻りできない

覚悟を持って。



高齢出産、シングルマザー……問題だらけだけど梨絵子は頑張っていた。

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