第41話

『うわわわーん、まま、ままー!!』




ガッシャーン




『おい、妃響、悠妃黙らせろ。』



『黙らせろって、悠妃はまだ1歳だよ!?

朝妃のことが怖くて泣いてるんだよ!?』




チッ




舌打ちを吐いた、朝妃という人物は

泣いている悠妃のもとへと向かって歩いた。





『ひいっ。』




朝妃の怖い顔をみたのか、悠妃は

体が強張り震えている。




『おい、悠妃泣くんじゃねえぞ!?

雅妃、悠妃のこと見とけよ。いいな?

俺、出かけてくるから。じゃあな』



『朝妃!!また出ていくのかよ!?』




『うるせえっっ!!妃響はくんな!!』





雅妃といわれた人物は、悠妃は守るように

抱き、妃響は朝妃を止めようと体を張る。





まわりにいるほかの兄弟たちは

泣きそうな表情をしてその光景を見ている。



部屋の中には、壊れた家具やおもちゃ

悠妃の泣き声だけが響いていた。




仲良しだった家族はそこにはない……



暴れる兄に怯える弟………




そんな形の家族だった……





両親の離婚をキッカケに崩壊へと向かっていた。

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