第40話

『ママあ、ママ…どこにいるの?ママ…』




1歳すぎの男の子だろうか。

お母さんを求めて泣いている。


ママ、ママっていってずっと泣いている。




『ゆう、ママはもういないんだ。

頑張ろうな、ゆう。大丈だからな。』



小学生くらいの男の子が泣いている

男の子を慰めている。




バンッ、ドゴッ、ガッシャーン




『ひい!うわわわわーん、ママ~!!』




激しい物音に男の子は大声で泣き出し

物音は泣き声が響くたびに激しくなる。





『朝妃!落ち着けよ!物壊すなよ!』



『うるせえ!妃響どっかいけよ!!』




彼は、妃響という人物に向かって

物を投げたり蹴ったりしている。



これは、家庭内暴力というものだろうか。




『朝妃!落ち着いてくれよ!』



『妃響も俺を見捨てればいいだろ!』



『そんなこと出来るわけない!』



『俺みたいな兄貴いらないだろ!』



『そんなことないっ!朝妃は俺の大切な

兄貴だよ!嫌いになることなんてないよ!』

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