第36話
妃響:『あっくん、あっくんって言うんだ。
夢の中でもあっくんって言って姿を探してる。そんな姿を見ることしか出来なくてやり切れない気持ちになるんだよ。何とかしてあげたい…けど、朝妃はもう居ないって、言うことが出来ない。』
雅妃:『…………うん…。』
妃響:『妃愛のこの10年は、朝妃の姿を追い掛けるだけの10年間。
もう終わりにしてやらないと一生、朝妃を追いかけるだけ。』
雅妃:『終わりに……してやる?朝妃兄が
死んだってことを……伝えるの?妃響兄が?』
妃響:『フッ………俺には出来ないよ。
燈妃に頼んだ。燈妃が妃愛に朝妃が居ない
現実を突き付けてやれって。嫌だと言っても
教えて欲しいって頼んだ。』
雅妃:『…………それは………キツくない?
朝妃兄を追い掛けてきて、もう死んだんだって現実を突きつけるのは………辛いよ……。』
妃響:『辛いけど、受け止めなくちゃいけないんだよ。もう、朝妃は居ない。居ない人を
追いかけても得られることは無い。妃愛には
幸せになってほしいんだよ。前を向いてほしいんだよ。』
雅妃:『…………わかるけど………』
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