第35話
妃響兄………………ありがとう…………。
妃響兄が苦しんでいたのもわかってた。
でも、それは………朝妃兄が居なくなって
後を継ぐことによるものだと思ってた。
違ったんだね…………。
妃響兄は朝妃兄を、俺は竜妃を。
互いに年子の弟のほう。兄に勝ちたいけど
いつも比べてしまって自分を追い込んでしまう。
辛かった、苦しかった。
たった1歳しか違わないのに、竜妃は大人で。
その差に苦しんでいた。子供の頃から
竜妃だけを追いかけていて…
何か挑戦するたびに竜妃なら出来るのに…
自分は出来ないって責めていた。
苦しかった。辛かった。気づいて欲しかった。
妃響:『頑張っていこう。諸々問題は山積みだけど。ゆっくりでいいからさ。頑張ろう。』
雅妃:『うん、そうだね。』
妹のことを、受け入れるということ。
それは、俺が俺自身の弱さと向き合うこと
依存から卒業することから始まる。
妃響:『妃愛はさ、』
雅妃:『ん?妹?』
妃響:『うん、妹。朝妃が死んだ時からずっと
この10年間、朝妃の姿だけを追い掛けてる。』
雅妃:『竜妃も言ってたね…。朝妃兄だけを
追い掛けてるって。そう言ってた。』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます