第5話

俺が死んだことで、妃響は若頭という

立場につかないといけなくなったと思う。




ごめんな、俺の勝手な行動のせいで。



妃響の将来を決めつけてしまって。




妃響は継ぐことなんて考えてきて

無かったと思う。親父の中にもその選択肢は

なかったと思ってる。




ふう、俺の思ってたことでも話そうか。




若頭は、長男の俺がって理由で決まってた

けど、俺は妃響のほうが向いてると思ってた。



俺にないものを妃響はもってる。



その才能も能力も俺は羨ましかった。





同じ親から生まれたのになんでこんなに

違うんだ?って思ったこともある。



それが反抗として暴走族に入ったんだけど。




お前は、突き放しても何度も俺に

引っ付いてきた。



まるで、俺の事を1人にさせないように

いつもどこにでも、着いてきて……


一緒に居てくれた。



俺の気持ちを妃響はわかってくれた。




苦しかったことばかりだったけど

妃響、お前のその優しさに救われたよ。



妃響が居たから、頑張ってこれた。



だから、俺は……跡を継ぐ覚悟ができたし

妃響が傍に居るなら…大丈夫だって思ってた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る